研究概要 |
1)3次元ユークリッド空間・3次元双曲空間・双曲平面と直線の直積を含む3次元等質空間の2径数族に対する「極小曲面の表現公式」を考察した.2006年に発表した論文: Minimal surfaces in 3-dimensional solvable Lie groups II, Bulletin of the Australian Mathematical Society 74 (2006),359-367において,この2経数族に属する各空間内の極小曲面に対する表現公式を求めていた.この公式では,ガウス写像と,ある複素数値函数の組をデータとしていた.Sungwook Lee氏と共同研究を行い,ガウス写像のみをデータとする表現公式に改良することに成功した.さらにガウス写像がなんらかのリーマン計量に関する調和写像になるのは外在空間が3次元ユークリッド空間・3次元双曲空間・可解幾何空間(Sol)のいずれかに限ることを証明した. 可解幾何空間に対しては一般ホップ微分(Abresch-Rosenberg微分)が存在しないため極小曲面の具体的構成法が未開拓であった.今回求めた表現公式により調和写像を用いた極小曲面の構成が期待できる.この成果は平成18年8月に開催された国際研究集会Methods of Integrable Systems in Geometryで発表し高い評価を得た. 論文: A Weierstrass representation for minimal surfaces in Solとしてアメリカ数学会のProceedings of American Mathematical Societyに掲載が決定した. 2)一般の3次元等質空間内で豊かな「平均曲率一定曲面の幾何」をもつ空間が何かを決定することは興味ある問題である.JoeriVan der Vekenu氏と共同研究を行い,平均曲率一定曲面の典型例である「第二基本形式が平行な曲面」をすべての単連結3次元リーマン等質空間において分類した。論文Parallel surfaces in the motion groups E(1,1) and E(2)及びA complete classification of parallel surfaces in three-dimensional homogeneous spacesとして発表予定.前者はベルギー数学会紀要に掲載が決定した.
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