研究分担者 |
藤井 道彦 京都大学, 理学研究科, 助教授 (60254231)
加藤 毅 京都大学, 理学研究科, 助教授 (20273427)
加藤 信一 京都大学, 理学研究科, 教授 (90114438)
宇敷 重廣 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (10093197)
西和田 公正 京都大学, 理学研究科, 教授 (60093291)
|
研究概要 |
研究代表者(上)は3,4次元多様体の研究を継続した.従来Seiberg-Witten理論由来の福本-古田不変量を研究し,これがザイフェルト有理3次元球面の場合にNeumann-Siebenmann不変量と一致すること,この場合の有理ホモロジー同境不変性を証明し,その応用を与えていたが,その後さらに3次元球面多様体の場合には,この不変量がHeegaard Floerホモロジー由来のOszvath-Szabo不変量と一致することを見いだした.これにより双方の理論で与えられてきたこれらの不変量の応用,与えられた3次元多様体を境界とする4次元多様体の交叉形式のみたす条件などの結果を比較することが可能になる(論文準備中).ただしこの2つの不変量はより一般の3次元多様体においては一致しない例があることが明らかとなっており,両者の相違,およびこれらの結果が4次元多様体のSeiberg-Witten不変量やOzsvath-Szaboの不変量にどのような知見をもたらすかを解明することが次の課題となっている.研究分担者の宇敷は複素2次元空間内のジュリア集合を自由に動かすことを可能にするソフトウェアを開発し,イタラクティブなアニメーションをフランスおよび日本国内の研究集会で発表した.加藤毅はK3曲面の中で実現されたある種のキャッソンハンドルの増大度について,下からの評価を与えた.加藤信一はある仮定のもとで示していたp進対称空間の部分表現定理をより一般に証明した.西和田は数理ファイナンス理論において必要となるジャンプを含んだ不連続確率過程に対する複製ポートファリオの研究を行った.藤井は2次元双曲多様体の調和ベクトル場のみたす微分方程式の確定特異点を研究し双曲構造の変形に応じて確定特異点が不確定特異点に,さらに正則点に変化する現象を発見した.
|