研究課題/領域番号 |
18540083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
遠藤 久顕 大阪大学, 理学研究科, 助教授 (20323777)
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研究分担者 |
菊池 和徳 大阪大学, 理学研究科, 講師 (40252572)
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キーワード | 4次元多様体 / 写像類群 / 符号数 / Lefschetzファイバー空間 / Meyerコサイクル / 微分構造 / quandle / 擬準同型 |
研究概要 |
本年度の研究は、平成18年度科研費補助金応募書類研究計画調書「研究計画・方法」欄及び平成18年度科研費補助金交付申請書「研究実施計画」欄に記載した計画に基づいて実施された。 まず、Lefschetzファイバー空間の符号数に関しては、Ozbagciの相対符号数定理のMeyerコサイクルを用いた別証明を得ることができた。また、Meyerコサイクルがパンツ上の曲面束の符号数を表すという定理をスペクトル系列を用いずに証明することができた。これらの成果は次年度以降の研究へと引き継がれる予定である。 一方、Lefschetzファイバー空間に対して写像類群に関するいわゆる森田理論を応用するという試みは、今のところ困難が多く実現に至っていない。主な困難は森田茂之氏(東京大学)の捩れ準同型が共役不変でないことである。本年度行った様々な試行錯誤から、写像類群のコホモロジーよりもDehn quandleのそれのほうがLefschetzファイバー空間との相性がよいものと思われる。 交付申請書「研究実施計画」欄において平成19年度から本年度へ実施年度を繰り上げたChakirisの第2定理の再証明・再解釈については、予期せぬ進展があった。当初の予定であったMoishezon-Teicher理論の習得を取りやめ、Chakirisの定理の位相的な解釈を試みたところ、Chakirisのファイバー空間及びその一般化を位相的に構成することに成功した。また、その中には互いに同相であるが微分同相ではないようなLefschetzファイバー空間の系列が含まれていることもわかった。 研究計画調書「準備状況等」において触れた写像類群上の擬準同型に関するD.KOtschick氏(ミュンヘン大学)との共同研究にも進展があり、論文として発表した。また、日本数学会機関誌「数学」に掲載された足利正氏(東北学院大学)と共著の論説を英訳して発表した。
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