研究概要 |
平成21年度の研究目標は (1) 位数2qの二面体群を部分商群として含んでいる可解0liver群に対してLaitinen予想を研究する (2) 本課題研究の最終年度であるため,これまでの研究成果の発表を行う (3) 研究交流により,発展的研究課題を見出すであった. (1) については,初めにSmith集合とprimary Smith集合の差が有限集合であることをBredonの定理を用いて証明した.次にSmith集合について,表現環における部分集合としての必要条件を得た.そして,位数2,3の巡回群をnilquotientに持つgap Oliver群のprimary Smith集合を決定した.従って,このような群に対してはLaitinen予想が成り立つか否かの判定ができるようになった.また,位数6の巡回群をnilquotientに持つgap Oliver群についてもprimary Smith集合の計算を行った.さらに,gap Oliver群Gが完全群Kと可解群Aの直積である場合にもprimary Smith集合を決定した. (2) については,Bratislava国際シンポジウム,数理解析研究所研究集会,第36回変換群論シンポジウムで4年間の研究成果を発表し,Smith問題やLaitinen予想の研究が大きく前進したことを報告できた. (3) については山口大学でワークショップを開催するなどして,研究情報を収集した.その結果,同変射影空間の接空間の情報,トーラス作用の研究情報,等変ホモトピーの研究情報を得て,今後の変換群論における研究課題と研究手法の手がかりを見出した.今後のSmith問題の研究には,同変ホモロジー手術理論の研究の深化が必要であると強く認識した.
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