研究課題/領域番号 |
18540087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
清原 一吉 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80153245)
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研究分担者 |
伊藤 仁一 熊本大学, 教育学部, 教授 (20193493)
五十嵐 雅之 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (60256675)
酒井 隆 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70005809)
勝田 篤 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (60183779)
池田 章 岡山大学, 教育学部, 教授 (30093363)
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キーワード | リウヴィル多様体 / 楕円体 / カットローカス / 共役跡 / 測地線 / 可積分測地流 |
研究概要 |
我々が本年度の研究計画に挙げた3つのテーマのうち、高次元Liouville多様体のカットローカスの決定問題において実質的な進展があった。以下、その概要を記す。 我々は既に、J.Itoh, K.Kiyohara, Manuscripta Math.114(2004), 247--264において楕円面の一般点のカットローカスが、その対蹠点を通る曲率線上のある曲線分に等しいことを示し、さらに共役跡が丁度4つのカスプを持つというヤコビの主張を証明している。今回の研究で、我々はその高次元化である次の定理を得た:ある種のLiouville多様体(主軸の長さがすべて異なる楕円体を含む)において,一般の点(ある余次元2の部分多様体に属さない点)のカットローカスは余次元1の閉球に微分同相であり、その点の対蹠点を通る標準座標面(楕円体の場合は「曲率面」に一致する)内にある。例外点、即ち余次元2の特別な部分多様体に属する点のカットローカスは余次元2の閉球に微分同相で、これはこの部分多様体が含まれるところの余次元1の全測地的なLiouville部分多様体でのカットローカスに一致する。 また当初の計画にはなかったが、我々はさらにこの設定において一般の点の最初のn-1個の共役跡の構造(特にその特異点の様子)を特定することができつつある。それによれば、一般の特異点はcuspidal edgeであり、その端点で隣り合う共役跡が接触することがわかる。
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