研究課題/領域番号 |
18540090
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高山 晴子 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教 (90274430)
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研究分担者 |
大鹿 健一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70183225)
大場 清 お茶の水女子大学, 理学部, 准教授 (80242337)
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キーワード | タイヒミュラー空間 / 錐状特異点付きユークリッド構造 / 平面多角形 |
研究概要 |
リーマン面のモジュライ空間は、曲面上の双曲構造のモジュライ空間と同一視できることはよく知られているが、曲面上の錐状特異点付きのユークリッド構造のモジュライ空間とも同一視できることがToroyanovの結果によって知られている。我々は、後者の立場から、その普遍被覆空間であるタイヒミュラー空間の幾何構造を調べることを目的とし、昨年度に引続き、超楕円曲線族のなす部分空間の幾何構造の研究を行った。超楕円曲線のモジュライ空間は、錐状特異点付きユークリッド構造を用いると、丁度平面多角形のモジュライ空間と対応することがわかる。実際、超楕円曲線の超楕円的対合による商空間で得られる球面上の点の配置空間は、超楕円曲面から錐状特異点付きユークリッド構造が誘導される。これに自然なマーキングを施したものは、超楕円曲線のタイヒミュラー空間と同型であることが示されることから、球面上のマーク付き点の配置空間と平面多角形の対応が全単射であれば、超楕円曲線族のなすモジュライ空間を平面多角形でパラメタ付けすることができる。我々は、単射性および平面四角形の場合に全射性が成立することを既に示しているが、平面五角形の多くの場合の全射性について調べた。 この問題は、超楕円曲線族に作用する写像類群が誘導する平面多角形のモジュライ空間上の作用によって、任意の(特異)五角形が非特異五角形に変形できることを示すことに帰着する。我々は、数式ソフトMATLABを用いて、乱数的に発生させた5角形に対して実験を行い、施すべき作用を予測し、数式ソフトMathematicaによりその信憑性を確かめ、多くの場合に非特異5角形への変形を確立した。
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