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2010 年度 実績報告書

曲面の錐状特異点をもつユークリッド構造とタイヒミュラー空間

研究課題

研究課題/領域番号 18540090
研究機関九州大学

研究代表者

高山 晴子  城西大学, 理学部, 准教授 (90274430)

キーワードタイヒミュラー空間 / 錐状特異点つきユークリッド構造 / 平面多角形
研究概要

タイヒミュラー空間は,リーマン面のモジュライ空間の普遍被覆空間として曲面の写像類群の作用をもち,この写像類群の作用を保つようなタイヒミュラー空間上の計量はリーマン面のモジュライ空間の捉え方によって様々に定義されている.それらは一様ではなく極めて複雑な様相を呈している,例えば最もよく知られている距離のうちの一つであるタイヒミュラー距離は,負曲率であるときの性質を多く満たしているにもかかわらず負曲率はもちえないことがMasurによって示されている,また曲面の複素構造に加えて双曲構造も用いて定義されるWeil-Peterson計量は,Kahler距離であるが完備でない.本研究では,点付きリーマン面のモジュライ空間を曲面の錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間とみなす立場から得られるタイヒミュラー空間の幾何構造の構築を目的とし,本年度は超楕円曲線のタイヒミュラー空間上に幾何構造を導入した.これは超楕円曲線のタイヒミュラー空間が,2次元球面上のマーク付きの錐状特異点をもつユークリッド構造のモジュライ空間と同一視できるという我々の結果を用いて,ユークリッド構造から自然に導入される面積形式を用いて得られるものである.実際,1点付きのトーラスのタイヒミュラー空間は平面4角形の相似類の空間との同一視ができ,これはまた2次元球面上の4点で錐角をもつ特異ユークリッド構造のモジュライ空間とみなせるが,このとき面積形式は退化していることがわかった,より一般には偶数個の辺をもつ平面多角形のモジュライ空間と対応する1点付きリーマン面のタイヒミュラー空間に誘導される面積形式は退化しており,奇数個の辺をもつ平面多角形のモジュライ空間と対応する1点付きリーマン面のタイヒミュラー空間に誘導される面積形式は(m, m)型であることが判明した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] A metric on the Teichmuller space of once-punctured torus2011

    • 著者名/発表者名
      Haruko NISHI(高山晴子)
    • 学会等名
      Teichmuller spaces and related topics
    • 発表場所
      城西大学
    • 年月日
      2011-01-20

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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