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2006 年度 実績報告書

3次元多様体の位相幾何的および双曲幾何的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540097
研究種目

基盤研究(C)

研究機関首都大学東京

研究代表者

相馬 輝彦  首都大学東京, 大学院理工学研究科, 教授 (50154688)

キーワードhyperbolic 3-manifolds / Marden's conjecture / ruled wrappings / Seifert fibered spaces / Lozi maps / shadowing property
研究概要

3次元双曲幾何学の主要な問題であった,「有限生成基本群を持つ3次元開双曲多様体は,コンパクトな3次元多様体の内部と同相であろう」というMarden予想が,ごく最近I.AgolとD.Calegari-D.Gabaiによって独立に証明された.この予想の解決により,関数論の重要な問題であるAhlfors予想も同時に解決した.しかし,彼らのいずれの証明も難解で専門家でも完全に理解するのはかなり難しい.そこで,本研究では,新たにruled wrappingという,曲面から開双曲多様体へのある種の写像の概念を導入し,それをこの問題に適用することによって,Marden予想に対して明快で短い証明を与えることができた.ruled wrappingは双曲3次元開多様体のエンドの性質を調べるのに有効であることが分かったので,これを使って3次元双曲幾何学に関する他の問題を解くのにも使用していく予定である.
また,擬フックス群の幾何的な極限についても研究した.代数的に収束する擬フックス群の列が幾何的にも収束するとき,代数的な極限は幾何的な極限の部分群になることが分かっている.しかし,一般に,これらの極限は一致しない.実際,幾何的な極限をホロノミー群として持つ双曲3次元多様体は無限個のエンドを持ち,さらにその内の無限個のエンドは幾何的に有限でも,単純非退化でもないというような複雑な位相型をしている.したがって,そのような位相型を決定する問題は重要なことが分かる.本研究を通して,代表者は,この位相型を完全に決定した.さらに,その証明をなるべく明快なものにする努力を続け,ようやく論文の形にまとめた.次年度以降,この結果を国内外の研究集会で発表し,専門家からの意見を取り入れて論文をさらに精密なものにした後,国際的専門誌に投稿する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Existence of ruled wrappings in hyperbolic 3-manifolds2006

    • 著者名/発表者名
      TeruhikoSoma
    • 雑誌名

      Geometry and Topology 10

      ページ: 1173-1184

  • [雑誌論文] Scott's rigidity theorem for Seifert fibered spaces; revisited2006

    • 著者名/発表者名
      Teruhiko Soma
    • 雑誌名

      TransactionsofAmericanMathematicalSociety 358

      ページ: 4057-4070

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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