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2008 年度 実績報告書

3次元多様体の位相幾何的および双曲幾何的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540097
研究機関首都大学東京

研究代表者

相馬 輝彦  首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (50154688)

キーワード3次元多様体 / 双曲多様体 / クライン群 / 曲線複体 / エンディング・ラミネーション
研究概要

コンパクト曲面Sにホモトピー同値な双曲3次元多様体に関する双リプシッツ定理の証明の簡易化には成功した.今はその定理を一般化(双曲3次元多様体が無限生成基本群を含む場合も含む)を証明している途中である,これが完成すれば,双曲多様体の列の幾何的極限の分類を大幅に前進させることが出来る.具体的には,双曲3次元開多様体の列{Nn}を考え,それぞれの要素に双リプシッツ・モデルMnを対応させる.双リプシッツ・モデルの幾何的な構造の単純さにより,Mnの幾何的極限M∞は,ブリック多様体となる.一方,Nnの幾何的極限M∞はM∞に双リプシッツ同値であるから,N∞の位相的構造が明らかになった.例えば,N∞はS×Rの開部分集合として実現でき,多くとも可算個のエンドをもつ.それらのうちで幾何的有限エンドは高々有限個であるが,単純退化エンドとワイルド・エンドは可算個存在する場合もあることが証明できた.前者2種類のエンドに対しては,それぞれ共役構造とエンディング・ラミネーションをエンド不変量とし,ワイルド・エンドはエンド不変量が定義されていないとする.さらに,双曲多様体が幾何的極限であるための位相的必要条件(エンド不変量に情報も含む)は,十分条件であることも証明できた.すなわち,幾何的極限の位相的分類が完成したことになる.また,2つの幾何的多様体が同じ位相型を持ち,それらの間の同相写像hがエンド不変量を保存するとき,hは等長写像に固有ホモトピックであることが証明できた.これで,幾何的極限の幾何的分類も完成した.現在は,上の議論を精密化することによって,S型とは限らない一般の有限生成基本群を持つ双曲3次元多様体の列の幾何的極限として現れる双曲3次元多様体の分類を進めているところである.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Persistent antimonotonic bifurcations and strange attractors for cubic homoclinic tangencies2008

    • 著者名/発表者名
      S. Kiriki, T. Soma
    • 雑誌名

      Nonlinearity 21

      ページ: 1105-1140

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 論説 : 位相的クライン群論の最近の話題

    • 著者名/発表者名
      相馬 輝彦
    • 雑誌名

      数学 掲載決定

    • 査読あり
  • [学会発表] 幾何的極限とエンディング・ラミネーション予想2009

    • 著者名/発表者名
      相馬輝彦
    • 学会等名
      日本数学会年会・トポロジー分科会・特別講演
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2009-03-26
  • [学会発表] Geometric limits and Ending Lamination Conjecture2009

    • 著者名/発表者名
      相馬輝彦
    • 学会等名
      「リーマン面・不連続群論」研究集会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2009-01-12
  • [備考]

    • URL

      http://www.comp.metro-u.ac.jp/~tsoma/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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