研究概要 |
本科学研究課題の目標は,共形幾何の位相的および解析的研究で,特に共形幾何における山辺不変量の微分位相幾何的および幾何解析的研究であった.最終年の本年は (1)正の山辺不変量の研究,特に「正の山辺不変量に関する手術理論」の研究 (2)直積多様体の山辺不変量の研究,特に「直積多様体M×S^1の山辺不変量」の研究 であった.このため研究代表者と連携研究者間で定期的に研究連絡等を行なった.また,国内・国外への出張により,微分幾何,多様体上の幾何解析の総合的研究を行なった. (1)に関しては, Ammann-Dhal-Humbertの論文(arXiv:0804.1418v2[math. DG],2008)による既存の手法を突き詰めた結果がある.研究代表者の芥川は, AmmannおよびDhalと直接的な研究連絡を行うことにより,既存の手法の限界および今後の展開について議論を行った.(2)に関しては,芥川はこのテーマに関する専門家のSchickおよびPeteanと直接的議論およびメールによる研究連絡を行い,一つの予想を得た.これら(1),(2)の未解決問題に対する予想および部分的結果に関しては ・山辺不変量:手術理論と直積多様体に関する話題から (第55回幾何学シンポジウム講演要旨:基調講演,2008年) に詳しく記述した. 本科学研究課題に関連して,連携研究者の小林は,「向き付け可能な3次元の多様体上には常に正のリッチ曲率を持つアファイン接続が存在する」ことを示した. 上記の研究において,研究費補助金による国内・国外の研究者との直接的な研究連絡は重要であった.
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