研究概要 |
微分方程式の方程式自身および解のそれぞれの幾何構造や構成を,ダブル・ファイバリングを通してみるツイスター理論から調べてみた. 1.Monge-Ampere方程式を一般化したMonge-Ampere系のうち,概積構造に関係したLagrange対のクラスの研究から,概複素構造に関係したCR型のクラスの研究を主にやり,幾何的解のジェネリックな特異点の様相として孤立特異点が現われることがわかった. 2.放物型でMonge系が可積分であるGoursat方程式の本質が,2n+1次元接触多様体上のLegendreコーン場に付随した微分方程式であることがわかった.構成にはLagrange-Grassmann双対性を使い,解の構成にはGoursat構造をもつ3n-1次元多様体の分布からの部分多様体を使った.さらに,n+1次元多様体上のコーン場に付随した1階偏微分方程式も同様に考えられることがわかった. 3.3次元接触構造と3次元コーン構造の関係を,Engel-Legendre双対性を通してみて,射影構造と(2,1)型共形構造の対応,接曲面の特異点の型の対応,閉Legendreとヌル曲線の指数の対応などを調べた. 4.Legendre多様体による1-ジェット空間から0-ジェット空間への射影によるLegendre特異点論はよく知られているところであるが,2-ジェット空間からの射影による第2次Legendre特異点論を,Clairaut方程式とツイスター理論の関係から,まだ不十分ではあるが展開した.
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