研究課題
基盤研究(C)
周波数ホッピンク多重接続は、スペクトラム拡散通信の一種で、複数の利用者が与えられた広い周波数帯域内で各自周波数を頻繁に切換える通信方式である。異なる利用者がたまたま同じ周波数にぶつかってしまうこともあるので、できるだけこのような衝突か少ない周波数変換方式(周波数ホッピンク系列)が必要になる。切換える周波数の数、系列の長さが与えられた時、少なくとも何回衝突が起るかの下界値はLempel and Greenberger(1974)とPeng and Fan(2004)の研究によって分かっている。本研究の目的は下界値を満たす最適な周波数ホッピンク系列を多様なパラメータ(周波数の数、系列の周期、系列の数)に対して構成することである。今年度は本研究プロジェクトの初年度である。繆は、このプロジェクトに関しての広範な準備を行い、組合せ論と符号理論だけでなく、関連諸分野の調査研究を実施した。また、これらの諸関連分野の専門家と資料提供及び情報交換を行った。藤原・繆は、藤原・繆・三嶋(2004)より見つけた周波数ホッピンク系列と分割型difference packingとの同値関係に基づいて、差集合、射影幾何、巡回デザインなどを利用して、最適な周波数ホッピンク系列を数多く構成した。繆は、一周期で衝突数が高々1である特殊な周波数ホッピンク系列とperfect Mendelsohn pakingとの同値関係を見つけた。この同値関係基づいて、繆は最適な一周期で衝突数か高々1てある周波数ホッピング系列を幾つか構成した。藤原は、これまで手を付けていなかった最適な系列間相関を持つ複数周波数ホッピング系列の構成の研究を始めた。巡回巣型デザインを利用して、系列間相関の良い周波数ホッピンク系列を複数構成できた。繆・藤原・三嶋は、周波数ホッピンク系列に密接に関連している通信方式の安全性や組合せ的デサイン理論の基礎研究にも取り組んだ。
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