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2006 年度 実績報告書

確率論的アプローチを融合した数値解の信頼性評価システム開発と複雑流体計算への展開

研究課題

研究課題/領域番号 18540118
研究種目

基盤研究(C)

研究機関金沢大学

研究代表者

畑上 到  金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (50218476)

研究分担者 大島 洋一  熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (20040404)
伊藤 俊次  金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (30055321)
大森 克史  富山大学, 人間発達学部, 教授 (20110231)
キーワードランダム項 / 確率差分方程式 / 流体シミュレーション / 安定性
研究概要

発展方程式の数値解の信頼性の向上を目的として,誤差移入による解の構造の変化に対する,統計的な挙動の考察を行った.特に本研究では,まず一様乱数等によるランダムな様式での誤差を発生させてランダムネスを付加した場合に,数値解の統計的な構造がどのように変化するかについて,ロジスティック方程式やローレンツ方程式等の比較的単純な非線型発展方程式系を離散化した差分方程式系に対して,確率論的および力学的な見地から理論的考察を行った.同時に数値実験をおこなうことによって,その理論の正当性を実証することを試みた.まず確率差分方程式の平均値としての力学的挙動がもとの差分方程式の構造とどのような差異があるかについて理論的に考察し,決定論に従う差分方程式と同じパラメータをもつランダム項が付加された確率差分方程式では,ランダム項の分散の大きさによっては,平均値として異なる構造を持つことが示唆された.従って,個々のサンプル計算において,誤差移入によって定性的に解が変化する方向性が見いだされたことになり,実際の数値解析において,精度がそれほど得られない計算でどのような解の定性的変化があるかについての知見が得られた.
また,その結果を実際の流体シミュレーションにおける誤差移入の影響について調査した.その結果,人工粘性項のような系を安定化させるパラメータと同様の効果を誤差移入がもつ可能性があることが示された.この結果は,反復解法の収束条件による精度の低下(誤差移入の増大)により計算される系が安定化され,より次元の低い幻影解の発現を誘起する可能性があることを示唆している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] On Dependence of Structure of Numerical Solutions on Insertion of Random Errors2007

    • 著者名/発表者名
      Itaru Hataue
    • 雑誌名

      AIAA-Paper 2007-0107

      ページ: 1-11

  • [雑誌論文] Effect of Random Errors on Statistical Behavior of Discretized Dynamical System2007

    • 著者名/発表者名
      Itaru Hataue, Yasumasa Saisho
    • 雑誌名

      Information vol.10,No.1

      ページ: 5-14

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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