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2009 年度 実績報告書

散逸系のパターン選択問題に現れるハミルトン構造

研究課題

研究課題/領域番号 18540120
研究機関神戸大学

研究代表者

桑村 雅隆  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (30270333)

キーワードprey-predator / カオス / mixed-mode振動
研究概要

ロトカ・ボルテラの捕食者-被食者モデルでは、被食者がロジスティック成長して捕食者がHolling II型の機能的反応を持つ場合、被食者の環境収容力が増加すると個体群ダイナミクスは不安定化することが知られている。そのため、たまたま周期解が小さな値をとったとき、わずかな環境変動によって解の値が0になり絶滅が起きやすくなることが示唆される。この理論的な予測に基づいて、Rosenzweigは湖沼生態系における富栄養化の危険性を警告し、環境条件が良くなると絶滅が起きる可能性があるということから、この現象を「富栄養化の逆説」と呼んだ。この逆説を解消するためにロトカ・ボルテラの捕食者-被食者モデルを拡張した3変数の常微分方程式モデルを提案しJ.Math.Biol.58(2009)459-479において発表した。この研究は大阪大学基礎工学研究科の小川知之、京都大学生態学研究センターの仲澤剛史との共同研究である。また、このモデルにおいてmixed-mode振動やカオスのような複雑な解の挙動が観察されるパラメータ領域をAUTOとよばれる分岐解析ソフトウエアを用いて調べ、そのメカニズムを幾何学的特異摂動論にもとづいて明らかにした。これは、九州大学の千葉逸人との共同研究であり、Chaos19(2009)043121で発表した。以上の研究は「非線形性の生み出す複雑さ」という観点において、散逸系やハミルトン構造の研究と関連があるといえるだろう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A minimum model of prey-predator system with dormancy of predators and the paradox of enrichment2009

    • 著者名/発表者名
      M.Kuwamura, T.Nakazawa, T.Ogawa
    • 雑誌名

      J.Math.Biol. 58

      ページ: 459-479

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mixed-mode oscillations and chaos in a prey-predator system with dorm ancy of predators2009

    • 著者名/発表者名
      M.Kuwamura, H.Chiba
    • 雑誌名

      Chaos 19

      ページ: 043121, 1-10

    • 査読あり
  • [学会発表] 捕食者の休眠を伴う prey-predator 系について2009

    • 著者名/発表者名
      桑村雅隆
    • 学会等名
      日本数学会2009年度秋期総合分科会応用数学分科会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府)
    • 年月日
      2009-09-25
  • [備考]

    • URL

      http://wwwmain.h.kobe-u.ac.jp/~kuwamura/kuwaj.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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