研究課題
Laplace作用素のCauchy問題に対する数値計算における数値安定性についての研究を行った。テスト問題として矩形領域のラプラス方程式を考えた。領域の一辺にのみCauchy条件を課し、それ以外の境界条件は課さなかった。また、厳密解として全平面で有界な関数、及び領域外の一点でのみ非有界となる関数を考えた。数値計算では、Cauchy条件を課した辺上で2重の条件が与えられるため、方程式の数と変数の数が同じになるように、通常一辺上の格子点数と同じ数の離散化方程式を無視して計算を行う。この方法で差分法を用いた数値計算では不安定で満足する数値解は得られなかったが、スペクトル選点法を用いた数値計算では、厳密界が有界な場合にのみ安定した解が得られた。また、全ての離散化方程式を課して最小2乗法により計算を行った場合、差分法を用いた数値計算でも、厳密解が有界非有界にかかわらず、安定して数値計算可能であることがわかった。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Hokkaido Mathematical Journal Vol.36,No.4
ページ: 837-848