研究課題/領域番号 |
18540125
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
中野 史彦 高知大学, 理学部, 准教授 (10291246)
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研究分担者 |
南 就将 慶応大学, 医学部, 教授 (10183964)
上木 直昌 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 准教授 (80211069)
加藤 和久 高知大学, 理学部, 教授 (20036578)
諸澤 俊介 高知大学, 理学部, 教授 (50220108)
小松 和志 高知大学, 理学部, 准教授 (00253336)
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キーワード | アンダーソンモデル / アンダーソン局在 / ランダム測度 / ベーテ格子 / 無限分解可能点過程 |
研究概要 |
(1)d次元ユークリッド空間上の2乗可積分関数の空間上のランダムシュレーディンガー作用素の固有値・固有関数からなるd+1次元ユークリッド空間上のランダム測度を考え、そのmacroscopic limitが状態密度とルベーグ測度の直積測度に漠位相で収束すること、及びnatural scaling limitが無限分解可能な点過程に分布の意味で収束するような部分列を持つことを示した。これはd次元格子上のランダムシュレーディンガー作用素について昨年度得た結果を連続系へ拡張することを試みたものであるが、連続系ではMinami's estimateが知られていない為に、natural scaling limitにおいてポアソン点過程への収束を示すことができなかった。 (2)ベーテ格子上のランダムシュレーディンガー作用素を考え、(1)と同様に定義されたランダム測度を考えた。macroscopic limitについては(1)と同様の結果を得た。natural scaling limitについては、固有値と固有関数の角度成分の分布を調べるランダム測度についてのみ、ポアソン点過程に収束することを示した。これも(1)と同様昨年度の結果と同様のものをベーテ格子の場合について考えたものであるが、ベーテ格子の幾何学的特徴の為に動径方向についてのポアソン性を示すことができなかった。一方、ベーテ格子上のランダムシュレーディンガー作用素は絶対連続スペクトルを持つことが知られており、そのこととここで考えているランダム測度の挙動との関係には興味が持たれる所である。
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