研究概要 |
研究実施計画の役割分担に従って,下記の研究成果を得た. ・貼り合わせルールにより構成されたペンローズタイリングに関して,新たなsubstitutionルールを一つ見つけた。それを用いることにより,非周期性,局所同型性,非可算性,貼り合わせルールにより構成されたペンローズタイリングがthe up-down generationで得られることの初等的な証明を与えることができた。 ・mod3レンズ空間上のベクトル束のspanとその安定拡張性の関係を研究し、過去に発表されたmod3レンズ空間上の実ベクトル束の安定非拡張性に関する定理をさらに進めた結果を得た。 ・正規分布N(θ,σ2)からの確率変数Xを用いたΦ(aθ)の不偏推定を考え、|a|>1/σの場合のその非存在について明らかにした。 ・シフト基数系は、ベータ展開と標準数系という異なる数の体系に付随する力学系を統一する概念で、良い数系のモジュライ空間とでも呼べるものである。2次元のシフト基数系の詳細な記述を行った。 ・二次元の離散回転から作られる簡単な数列の周期性を論じた。この数列は三項間漸化式の不等式版への拡張というような性格を持っており、記述は非常に難しい。この研究をさらに進めて、領域交換の力学系の自己相似性についてさらに結果を得た。 ・数系の有限表示は数の基本的な把握の手段とも考えられるが、数系を力学系と連結してトーラスのマルコフ分割を関連させる場合にも重要な役割を果たす。ここでは有限性をもつ代数的数をある種の正の代数的整数に限って分類した。
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