研究概要 |
(1)正方横断デザインの縮小について,平峰豊氏と共同研究をした。Dをブロックサイズk,点クラスサイズu,会合数λを持つ正方横断デザインとする。更に,Dが位数sのclass semiregular自己同型群Gを持つとする。このとき,Dを群環Z[G]上のある等式たちで表現した。これらの等式たちに単位指標を施すことにより,Dを縮小して出来るある平方横断デザインを構成した。またその応用として,対称横断デザインSTD_2[12:6]が非自明なelationを持たないことを,コンピュータの助けを借りて示した。この結果は論文としてまとめられ,現在投稿中である。 (2)秋山献之氏と位数12の射影平面の自己同型群の可能性について,共同研究をした。まず,一般的な結果として,対称横断デザインにおける軌道定理を作った。それは,次のようなものである。Dを対称横断デザインとし,GをDの自己同型群とする。このとき,(Gの点軌道の個数)+(Gのブロッククラスの軌道の個数)=(Gのブロック軌道の個数)+(Gの点クラスの軌道の個数)が成り立つ。この関係式を使って,位数8の白己同型群を持つ位数12の射影平面が存在しないことを示した。証明の概略は次の通りである。もし,位数8の自己同型群を持つ位数12の射影平面が存在したとすると,位数4の自己同型群が半正則に作用する対称横断デザインSTD_2[12;6]が存在する。上記の等式により,この自己同型群の作用の仕方が解明される。次に,この対称横断デザインを群環Z[G]上の等式たちで表現し,これらに単位指標を施すことによりある整数上の等式たちを得る。最期は、コンピュータの助けを借りて,これらの整数上の等式たちが起こらないことを示した.現在,投稿の準備をしている。 (3)中川暢夫氏との,位数9の射影平面における,blocking semiovalsに関する研究が出版された。
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