研究課題/領域番号 |
18540134
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
三澤 哲也 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10190620)
|
研究分担者 |
宮原 孝夫 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (20106256)
能登原 盛弘 名古屋市立大学, 大学院システム自然科学研究科, 教授 (30347421)
清水 昭信 名古屋市立大学, 大学院システム自然科学研究科, 客員教授 (10015547)
橋本 佳明 名古屋市立大学, 大学院システム自然科学研究科, 教授 (50106259)
|
キーワード | 確率離散系 / 力学構造 / 確率アルゴリズム / 電力市場 / リスク評価 / Ewenの抽出公式 / 遺伝子系図 / 非線形楕円型方程式 |
研究概要 |
本研究の目的は、確率微分方程式系の差分化、あるいは確率アルゴリズムや時系列モデルにおけるマルコフ連鎖系などで扱われる「確率離散力学系」において、対称性・保存量といった力学構造諸概念の拡張定式化とその応用展開の可能性を関連する諸分野の個別研究とともに調査検討することにある。本年度は本主題のパイロットスタディ的な調査研究と関連諸分野の応用研究を実施したが、代表者、各分担者共々いくつかの成果を得て、その中の一部はすでに公表を行った。以下今年度の内容について概要を紹介する。 代表者・三澤哲也は、離散力学系の対称性とその応用に関する前田の研究に着目し、その確率系への拡張に着手し始めるとともに、関連応用研究として、離散マルコフ連鎖系による時系列データの最適Wavelet平滑化法とそのマクロ経済データ分析への応用、電力市場価格時系列の確率回帰モデル分析、電力事業の発電設備投資リスク分析などに従事した。分担者・宮原孝夫は確率論の金融オプション及びリアルオプション理論への応用研究として、リスク及びプロジェクトの価値評価法について考究し、企業ファイナンスで標準的な正味現在価値法をより有用な評価法に拡張しようと試みた。分担者・清水昭信と能登原盛弘は確率論の集団遺伝学への応用研究に従事し、清水は、中立無限対立遺伝子モデルの抽出公式を対称な自然淘汰のある場合に拡張した半田の仕事がWattersonの仕事に関連していることを示した。能登原盛弘は地理的構造を持つ集団からの遺伝子系図を表現するStructured Coalescent Modelを対象に、その共通祖先到達時間(Coalescence time)分布について研究し、集団構造やStrong migration, Weak migrationなどの移住率の強度の違いによる分布の特徴を数値実験も併用して解析した。分担者・橋本佳明は、確率解析とも関連が深い関数方程式の研究を行い、2階非線形楕円型方程式の解の正則性を加藤の方法で示した。
|