東京理科大学の江川教授と、次数条件と2因子について共同研究を行った。具体的には、任意に指定された独立点集合Sに対して、その頂点がそれぞれ異なる成分に含まれるような2因子の存在を保証するOre型次数条件σの最良な下限値を示した。即ちσがn+|S|-1以上有れば所望の2因子で、一つの成分を除いて全て三角形になるものが存在することを示した。得られた結果は論文にまとめられ、既に国際専門誌に投稿済みである。またパリ大を訪問しBondy教授とこの結果を更に一般化し、Brandtらの結果を拡張する問題の解決を試みた。 またアメリカ・メンフィス大学のFaudree教授を訪問し、Claw-freeグラフについて共同研究を行った。具体的には、本研究者が行った2因子についての研究を進展させた。一般にClaw-freeグラフは最小次数が4以上あれば2因子の存在が保証される。Faudree教授との共同研究では、指定された独立点集合Sの各頂点がそれぞれ異なる成分に含まれるような2因子の存在に対する研究を行い幾つかの結果を得た。そのつを紹介する。本研究者は以下のような予想を上げた。「最小次数5以上のClaw-freeグラフは、適当な2因子が存在し、各成分はSの頂点を高々一つずつ含む」。この予想の解決を得ることは出来なかったが、条件を弱め、最小次数7以上のライングラフならば予想は正しいことを示した。Claw-freeグラフはライングラフの一般化されたグラフである。
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