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2008 年度 実績報告書

反応拡散モデルにもとづく侵入と伝播の数理的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540144
研究機関京都産業大学

研究代表者

細野 雄三  京都産業大学, 理学部, 教授 (50008877)

研究分担者 辻井 芳樹  京都産業大学, 理学部, 教授 (90065871)
キーワード反応拡散系 / 進行波解 / 伝播速度 / 感染症モデル / 餌食と捕食者モデル / 特異摂動法
研究概要

1、感染症伝播を記述する2成分反応拡散系について、種々の非線形感染率モデルに対する昨年度までの研究成果に基づいて、拡散係数が一般の場合について数値計算を行うとともに、進行波解の存在とその速度の評価を解析的に研究を行ってきたがまだ未解決である。本年度は、研究集会「鳥インフルエンザを中心とする感染症の数理-モデリングと解析-」開催し、現実の感染症研究における様々な数理モデルの特徴とその役割を反応拡散モデルも含めて検討した。
2、ロトカーボルテラ型の捕食者と餌食モデルに対して、(1)餌食が存在しているところに捕食者が侵入した場合に発生する追跡侵入進行波解について、李聖林、村田宙俊の両名との共同研究を発展させた。先ず、李聖林の得た追跡侵入速度の数値計算結果を検討し、解析的考察とは矛盾することを研究代表者が指摘し、その原因を究明するため新たな数値計算を行い検討したが、まだ未解決であり現在も研究を続行している。また、これらの数値計算から、捕食者のダイナミックスにおいて種内競争がない場合には、餌食の拡散係数を固定し捕食者の拡散係数を0に近づけたとき解の最大値ノルムが大きくなり有界でなくなることを示唆する結果が得られた。このことは、ロトカーボルテラ型の捕食者と餌食モデルの興味ある性質の新たな発見であり、これらの性質を明らかにすることは、捕食者と餌食モデルを理解する上で非常に重要な問題である。(2)開放空間への捕食者と餌食の同時侵入進行波解については、餌食の拡散係数が小さいとき特異摂動法により、解の存在とその速度について議論できることを示した。2009年1月13日から16日に開催された京都大学数理解析研究所研究集会「生物数学の理論とその応用」(研究代表者細野雄三)において「侵入過程に現れる進行波解について」と題して、これらの成果の口頭発表を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Effective Fine-convergence of Walsh-Fourier series2008

    • 著者名/発表者名
      T. Mori
    • 雑誌名

      Mathematical Logic Quarterly 54

      ページ: 519-534

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Integral of Fine computable functions and Walsh Fourier series2008

    • 著者名/発表者名
      T. Mori
    • 雑誌名

      Electronic Notes of Theoretical Computer Science 202

      ページ: 279-293

    • 査読あり
  • [学会発表] 侵入問題と進行波解2008

    • 著者名/発表者名
      細野雄三
    • 学会等名
      第18回日本数理生物学会大会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2008-09-18
  • [学会発表] Traveling fronts for the reaction-diffusion epidemic models with nonlinear incidence2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Hosono
    • 学会等名
      The Second China-Japan Colloquium of Mathematicalbiology
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2008-08-06
  • [図書] 感染症の数理モデル2008

    • 著者名/発表者名
      稲葉寿編著
    • 総ページ数
      161-189
    • 出版者
      培風館

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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