1.Start-up demonstration testについて、従来、理論的な困難さから置くことを見送られてきたような制約、たとえば、各時点においてそれまでの成功数の和がそれまでの失敗数の和を常に超えているというような、一定の長さの過去の履歴では捉えることができない制約の下で厳密分布の導出およびアルゴリズムの開発を行った。 応用として、次のような問題を解決した。start-up demonstration testにおいて、起動の成功数の和が失敗数の和を常に上回りながら、一定回数の成功連を観測したときにはその装置をacceptし、観測の途中で失敗数の和が成功数の和を上回ったときにはその装置をrejectし、さらに、あらかじめ決められた試行数に達してもacceptもrejectもできないときには実験を打ち切るという3種の結果を想定した実験を行い試行回数のデータをとる。このデータに基づいて起動の成功確率の推定々最尤法によって行う方法を開発した。また、この方式で成功確率を推定するとき、推定量の振る舞いをシミュレーションによって調べた。 2.2つの離散パターンが現れるまでの待ち時間の同時分布を調べた。今までの研究では、2つのパターンが互いにもう1つのパターンを含まないという技術的な制約の下で研究されていたが、本研究では2つのパターン間の関係について全く制約を置かなかった。そのため、厳密同時分布が相当複雑な形をしているが、同時分布から周辺分布をすみやかに出すことができる。
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