研究課題/領域番号 |
18540149
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研究機関 | 大阪国際大学 |
研究代表者 |
竹ノ内 脩 大阪国際大学, 名誉教授 (20029375)
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研究分担者 |
小林 龍彦 前橋工科大学, 工学部, 教授 (10269300)
小川 束 四日市大学, 環境情報学部, 教授 (90204081)
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キーワード | 和算 / 関孝和 / 建部賢弘 / 括要算法 / 朶積術 / 解伏題之法 / 行列式 |
研究概要 |
2008年は、関孝和没後300年の記念の年であった。いろいろな行事が催された。 本研究者も、関孝和の業績について、いろいろ検討を行い、報告した。 関孝和の業績の主要なものは、『括要算法』に収められている。これについて、詳細な検討を行った。 第1巻朶積術について。関自身の方法は、やゝ面倒なものであり、これには詳細な検討が要求される。また、関以後いろいろな人が述べている業績の一つ、松永良弼、有馬頼〓の結果について検討し、李善蘭の結果を用いて、完全な解釈を与えた。 第2巻諸約之法、翦管術について、関の考察の過程を推測し、関の述べていない部分についての解析を行った。 第3巻角術については、関のとった方法を忠実に再現し、検討を加えた。 第4巻円周率の計算、玉積率について。関の増約術による円周率の計算の結果の桁数についての考察を行った。また、球の体積について、関の方式の解釈及びそれの発展の方法について調べた。 関のこの他の重要な業績『解伏題之法』の中の行列式の展開の手法につき、その後の田中由実、井関知辰の手法、そして関の『大成算脛』について、検討を進めた。 この他、中国の数学書『四元玉鑑』について、検討をしている。この書で述べられている四元術は、中国数学の最高峰を示すものとして称賛されているが、その他にもこの書には、注目すべき内容がいろいろある。特に、級数の総和について述べられていることは、他に類例を見ない顕著なものである。
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