研究概要 |
本研究の目的は,実数のデジタル表示にともなうコンパクト化の考察であった.とくに,連続なスケーリングを許すような体系を深く研究した.この結果は「Numeration systems as dynamical systems」として,Monograph Series vol.48(2006)に出版された.また,これから最大型複雑さにおけるp^*_α(k)=sup_<#τ=k>p_α(τ)の上限を達成する窓τをどのように見つけるかという問題が派生した.これを空間図形に適用すると,合同な図形をいくつか重ね合わせるとき,これらが定める分割の個数をいかに大きくするかという問題と同値である.多くの場合,あらかじめ定めた可算無限個の配置から任意に取ればよいという結果が得られる.このような可算無限個の配置を最適位置と呼んだ.逆に,最適位置が存在しない例も知られている.最適位置が存在する場合,これの名集合は一様集合となる.すなわち,{0,1}の無限直積空間内の閉集合で,それを有限座標のみで見るとき,そのサイズは,座標の個数だけに依存する集合である.このとき,このサイズを座標個数の関数と見て,一様複雑さと呼ぶ.その後の研究で,一様集合の構造,一様複雑さの特徴付けについて,顕著な結果が得られ以下の文献として出版される.
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