研究課題/領域番号 |
18540154
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清水 悟 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (90178971)
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研究分担者 |
児玉 秋雄 金沢大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (20111320)
中川 泰宏 金沢大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (90250662)
尾形 庄悦 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (90177113)
浦川 肇 東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (50022679)
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キーワード | 関数論 / 特殊領域 / ラインハルト領域 / チューブ領域 / 複素幾何学 / トーリック多様体 / アインシュタイン・ケーラー計量 / CR多様体 |
研究概要 |
本研究では、特殊領域の研究とその複素幾何学への応用を中心に、研究代表者および各研究分担者の専門分野において主として、つぎのような研究成果を得た。 1.ラインハルト領域の研究に関連して、n次元複素ユークリッド空間の正則自己同型群Gの研究を行った。そして複素多様体上へのある種のコンパクト群作用の標準化に関する結果の応用として、G内のコンパクトな連結リー群Kの階数は必ずn以下であり、Kの階数がnのとき、Kはユニタリ群の直積と共役になることを示した。さらにG内の非コンパクトな連結リー群で、n次元単位球の正則自己同型群と同型であるものは存在しないことも示した。 2.トーラス作用の研究の一環として、n次元トーリック多様体上のアンプル直線束をd回テンソル積したとき、それがある良い性質をもつための条件を、nとdとで評価した。また非特異射影的トーリック曲面上では、アンプル直線束とネフ直線束の大域切断の空間での積写像が全射になることが、凸多角形の組み合わせ論的議論により証明されているが、全射性の代数幾何的意味を解明して高次元化するために、代数幾何的証明を与えた。さらにKエネルギーという視点から、アインシュタイン・ケーラー計量、定スカラー曲率ケーラー計量、端的ケーラー計量、ケーラー・リッチ ソリトンを統一的に見直すという研究を行った。 3.特殊領域の境界の幾何学についての研究に関連して、強擬凸コンパクトCR多様体上のヤング・ミルズ接続と、その上のサークル束上のフェファーマン距離に関するヤング・ミルズ接続との関係を調べ、第一変分公式、第二変分公式を導出し、境界作用素との関係を調べた。またコンパクトなリーマン多様体上の熱核が時刻を大きくするときの、定常解へ収束する速さを評価し(これをミキシング時間という)、リーマン多様体の幾何学的諸量との関係を導いた。
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