研究課題
基盤研究(C)
今年度は研究成果以下の通りである。1.主部が空間変数に依存する係数を持つ線型波動方程式の、初期値問題の解の局所時間減衰および、一様時間減衰の研究を行った。すなわち、主部がノントラッピンク条件を満たし、無限遠点の近傍で定数になるような係数を持つ波動方程式の初期値問題の解の時間減衰を、初期値問題の基本解に対応するレゾルベントの一様を導くことによって、証明した。2.係数が時間変数に関してヘルダー連続な線型双曲型方程式系のジュブレイ空間での基本解を構成した。基本解のシンポルのコーシー積分の精密な計算を行い、さらにバナッハスケールの方法とソボレフスキー田邊の方法を駆使して、基本解のアプリオリ評価を導き、さらにそれを用いて非線型波動方程式系の初期値問題のジュブレイ空間での局所解の存在定理を得た。3.一次元摂動型キルヒホフ方程式に対する初期値問題の時間大域解の存在定理および散乱理論を構成した。さらに主部の係数がノントラッピング条件を満たす多次元摂動キルヒホフ方程式に対する初期値問題の時間大域解の存在定理および散乱理論の研究を始め、部分的な結果を得た。4.ストークス方程式の一般初期値境界値問題の解の精密な表示を求め、それを用いて、解のL0x(5E)p-L0x(5E)q評価を導き、さらに解の時間減衰評価を得た。これらの評価はナビエ・ストークス方程式に対する初期値問題の研究に応用出来る。5.イタリアのピサ、トリエステおよびフランスのパリでの研究集会において、上記で述べた研究成果を発表し、また研究の情報交換を行った。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (3件)
Annali dell' Universita di Ferrara 52
ページ: 303-315
Annali della Scuola Normale Suyperiore di Pisa, Classe di Scienze Serie 5 5
ページ: 465-482
Hyperbolic Problems and Regularity Questions, Trends in Mathematics, Ed. M. Padula & L. Zanghirati, birkhauser Verlag Basel/Switzerland
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