研究概要 |
(1)非線形楕円型境界値問題の解の多重性と定義域の関係の解明: 非線形楕円型境界値問題において,Hardy項を持つ方程式の解の多重性の証明を行うことができた。Hardy項は方程式のうえでsingularな項として現れ、方程式に空間的特異性を与えるが、その特異性が解の存在および多重性を規定することを変分法を用いてしめした。 また符号を変える解については、Hardy項などを含む場合、含まない場合など一般的は設定のもとで、その存在と多重性を示した。 (2)定義域の位相的、幾何学的特徴が微分方程式の解の多重性に与える影響を明らかにする。 Riemannian Manifold上で考えられたSchrodinger方程式について、その解の多重性が曲率の影響を受けることを示した。具体的には、Riemannian ManifoldのRicci曲率の変化が、解の多重性にかかわり、ricciの曲率が大きいところで解の関数がおおきな値をとることを示した。 (3)非有界な領域で定義された楕円型方程式のシステムの解の多重性と特性の解明: 3次元のユークリッド空間全領域で定義されたcoupled nonlinear Schrodinger方程式が解をもつための条件と、符号を変化させる界を持つための条件をもとめた。 (4)外力項が解の多重性に与える影響について: 非線形の楕円型方程式において、外力項が解の多重性におよぼす影響をしらべた。外力の関数の形や大きさが解の多重性を規定することをしめした。
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