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2008 年度 実績報告書

合成作用素とスペクトル保存写像の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540167
研究機関信州大学

研究代表者

高木 啓行  信州大学, 理学部, 教授 (20206725)

研究分担者 高橋 真映  山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50007762)
キーワード合成作用素 / 関数環 / バナッハ環 / スペクトル / 保存問題
研究概要

この研究は、次の定理が得られたことに、端を発する。
定理:関数環の間の乗法的にスペクトルを保存する単位的全射写像は、合成作用素として表現される。
この定理のアイディアを活かして、Banach環の保存問題を、合成作用素と関連づけて研究することが、この研究課題の目的である。
上の定理は、羽鳥理氏(新潟大・理)と三浦毅氏(山形大・理工研)との共同研究で得られたものだが、さらに,分担者の高橋眞映氏(山形大・理工研)の協力を得て、その技法の発展を探ってきた。そして、上記定理の仮定「スペクトル保存」は、「末梢スペクトル保存」に緩められることがわかった。また、単位元をもたない環の場合の考察も行った。さらに保存問題への観点を広げて、関数環の間の2-局所同型写像(全射)や2-局所等長写像(全射)をとりあげ、それらが合成作用素として表現できることを、つきとめた。
一方で、合成作用素のひとつであるシフト作用素の研究もすすんだ。Hilbert空間上のシフト作用素の共役作用素が自然にもつ性質を、Banach空間の上で考えたシフト作用素が共有するかが、明らかになった。また、閉区間上の連続微分可能な関数の空間の上では、シフト作用素が存在しないことも、わかった。
他に、高橋眞映氏とは、Hyers-Ulamの安定性問題と関連させて、Banach環上の作用素のCaushy-Euler型の分解についての新しい観点を発見した。また、Hua型不等式の応用結果も得た。
「関数環研究集会」(2008年11月)や「つくばセミナー」(2009年3月)は、われわれの研究グループが中心になって開催し、関連の研究者が多く参集した。そこでは、上記の話題の他、ハーディ空間上のスラントToeplitz作用素のスペクトルに関する院生との共同研究の結果も発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A Cauchy-Euler type factorization of operators2008

    • 著者名/発表者名
      S. -E. Takahasi, H. Oka, T. Miura, H. Takag I
    • 雑誌名

      Tokyo J. Math. 31

      ページ: 489-493

    • 査読あり
  • [学会発表] シフト作用素に関する2・3の注意2009

    • 著者名/発表者名
      古清水大直,高木啓行
    • 学会等名
      つくばセミナー
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2009-03-10

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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