研究概要 |
今年度の研究では,放物型ベルグマン空間におけるカールソン測度の特徴付け,幾つかのノルム不等式の研究を行い,幾つかの結果を得た。具体的には,放物型ベルグマン空間におけるカールソン測度の特徴付けについて,L^{p}空間からL^{q}空間について考察し,pがq以下のときの特徴付けを与えた。カールソン測度の特徴付けや幾つかのノルム不等式の研究に関連して,放物型ベルグマン空間上の積分作用素であるトェプリッツ作用素の解析についても行った。今年度は,基本的な有界性やコンパクト性の解析を行い,有界性やコンパクト性について特徴付けを行った。具体的な結果を以下に述べる。b^{p}_{alpha}をalpha次放物型ベルグマン空間とする。このとき,測度muをシンボルに持つトェプリッツ作用素T_{mu}を考える。pがq以下のとき,トェプリッツ作用素T_{mu}が,b^{p}_{alpha}からb^{q}_{alpha}への有界作用素となのは,hat{mu}^{(alpha)}_{tau}が有界となることと同値である。ここで,tau=1+1/p+1/qであり,hat{mu}^{(alpha)}_{tau}(y, s)=s^{-tau(n/2alpha+1)mu(Q^{alpha})(y, s)}である。ただし,Q^{alpha})(Y)は,n+1次元ユークリッド空間内の上半空間における放物型の長方形を表す。また,トェプリッツ作用素T_{mu}が,b^{p}_{alpha}からb^{q}_{alpha}へのコンパクト作用素となるのは,hat{mu}^{(alpha)}_{tau}(y, s) to O((y, s) to partial H cup {infty})となることと同値である。これらの結果の他にも,放物型ベルグマン空間おける,共役調和関数について考察し,幾つかの結果を得ている。
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