研究課題/領域番号 |
18540185
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
加藤 幹雄 九州工業大学, 工学部, 教授 (50090551)
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研究分担者 |
高橋 泰嗣 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (30001853)
斎藤 吉助 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30018949)
田村 高幸 千葉大学, 文社会科学研究科, 助教 (30302582)
鈴木 智成 九州工業大学, 工学部, 准教授 (00303173)
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キーワード | バナッハ空間のψ直和 / fixed point property / normal structure / weak nearly uniform smoothness / uniform non-l^n_1-ness / von Neumann-Jordan型定数 / sharp triangle inequality / バナッハ空間 |
研究概要 |
(1)2002年に代表者等が導入したバナッハ空間のψ直和は、凸関数ψを適当にとることによって種々の性質を備えたバナッハ空間の例を比較的容易に構成することができる点で興味深く、発表以来、多くの注目を集め、国内外ですでにかなりの研究が為されている。本研究では、特にψ直和のuniform non-[ell]^n_1性を特徴づけた(投稿準備中)。その研究過程で三角不等式の精密化(n元)を見出し、これを独立に発表した。この不等式は、「バナッハ空間の幾何学において大きな貢献をするであろう」(referee評)といった高い評価を得て、発表と同時に国内外で注目を集めている。すでに主要な国際誌にその拡張や一般化が数編、発表されている。 (2)[ell]_1直和のuniform non-[ell]^n_1性の特徴づけを発表した。この性質は、空間の不動点性を保証するuniform non-square性の概念の拡張として、またバナッハ空間値確率変数列に対して大数の強法則を導くなど重要である。同時に[ell]_∞直和のuniform non-[ell]^n_1性について知見を得た。 応用として、uniform non-squareでないが、不動点性を持つuniform non-[ell]^3_1な空間を構成した。また、uniform non-squareな空間はsuper-reflexiveであるが(R.C.James)、uniform non-squareでないuniform non-[ell]^3_1な空間で、super-reflexiveなものが豊富に存在することを示した。 (3)2007年7月、Harbin(中国)における国際会議において招待講演及び大学院生のための特別講演を行った。また、2006年9月に主催した国際シンポジウムの論文集(pp.467,Yokohama Publishers)を出版した。
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