平成18年6月にポーランドのSzczyrkで開催された"多変数関数論のサマースクール"で研究発表を行った内容の論文"Reproducing kernels for holomorphic functions on some balls related to the Lie ball"が雑誌 Ann.Polo.Math に掲載された。この論文では、Lie 球を一般化した球状領域で調和な関数に対するベルグマン核を級数展開し、その展開項の増大度の評価式を利用することで調和関数の解析接続に関する定理を証明した。その後、以前我々が研究して得られたリー球上の調和関数や複素光錐上の正則関数に対するコーシー核を用いた積分公式が、リー球を一般化した上記の球状領域上の調和関数に対しても有効であることが示せ、その再生核であるコーシー核を利用することで上述の論文で発表した定理と同等の定理が証明できることに気づき、平成19年8月にトルコのアンカラで開催された第6回 ISSAAC Congress で研究発表を行いその内容を論文"Reproducing kernels for harmonic functions on some balls"にまとめ現在投稿中である。 また、平成18年8月にベトナムのフエで開催された"第14回有限無限次元複素解析とその応用"に関する国際会議で講演した内容も論文"Bergman kernels and Szego kernels for some balls related to the Lie ball"として、論文集"Function Spaces in Complex and Clifford Analysis"に掲載された。
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