研究課題/領域番号 |
18540187
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
内藤 幸一郎 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (10164104)
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研究分担者 |
大島 洋一 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (20040404)
三沢 正史 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (40242672)
角田 法也 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 講師 (80185884)
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キーワード | 非線形偏微分方程式 / 準周期性 / フラクタル次元 / 再帰性 / ディオファンタス近似 / ディオファンタス条件 / 自己相似性 / カオス |
研究概要 |
本年度までの代表者等による研究によって様々な準周期的軌道の再帰的次元とその無理数振動数の代数的な性質との関連が解明された。とくに18年度における本研究では、円の写像による離散力学系において、無理数回転数の有理数近似性を表す値と再帰的次元のGAP値との間に成立する関係式が理論的に厳密に導かれ、さらに、得られた理論値の数値的な実験検証を行った。これらの結果は、論文リストの[1],[2]で参照されるように、Yokohama Math.J.をはじめとする学術論文誌に掲載予定である。以上の結果に加えて、代表者はエントロピーや複雑度などの記号力学系理論に現れる評価指数と再帰的次元との関係について導出し、これまで代表者が研究してきた無理数の有理数近似による分類指数と、過去数多くの研究者が様々な無理数について評価研究がなされてきたirrationality measureと呼ばれる評価指数との関係を明らかにした。以上の結果については、2007年1月に慶応大学で開催された21世紀COEプログラム(総合数理科学:現象解明を通した数学の発展)研究集会「タイリング-準周期性の数理」で講演発表を行った。非線形偏微分方程式系に現れる複雑解の解析に関連する結果については、準周期的摂動項をもつ双曲型非線形発展方程式の準周期的解の存在条件を無理数振動数の代数的な条件であるディオファンタス条件を用いて導いた。この結果は業績リストの[3]の学術雑誌J.Nonlinear and Convex Analysisに発表された。準周期的なポテンシャルをもつ離散的シュレディンガー作用素の特異スペクトルについて解析した結果は、[4]のDifferential Equations and Applicationsに掲載予定である。 非線形偏微分方程式系に現れる複雑解に関する関連結果を、分担者三沢教授は学術雑誌Electronic Journal of J.Differential Eq.に発表した。関連する確率論の研究分野においては、分担者大島教授が学術雑誌SIAM J.Control and Optimizationに研究成果を発表した。
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