研究課題
本研究の対象は移流項をもつ反応拡散系であり、走化性方程式系と呼ばれる偏微分方程式系である。走化性方程式系の解は空間上のある領域の中の生物の密度分布や化学物質の濃度分布が時刻と共に変化する様子を表している。本研究では主に3次元以上の領域における走化性方程式系の爆発解の挙動や爆発点の周りでの解の性質を明らかにする事を目的とした。本年度は、11次元以上の領域における走化性方程式には爆発の速さが異なる無限種類の無限時刻爆発解が存在する事、ならびにそれらの解が爆発点の周りで定常解を自己相似変換した関数に近づくと言う共通の性質を持つ事を明らかにした。3次元以上の領域における走化性方程式の無限時刻爆発解の存在とその爆発の速さを明確にした初めての研究であり、爆発解の構造を研究する上で意義のある成果であると考える。この成果は本報告書の研究発表の欄に記載されている論文として発表した。
すべて 2009 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
Nonlinear Analysis : Theory, Methods & Applications 70
ページ: 2549-2562
http://horyu.jimut.kyutech.ac.jp/kit/AnnualReport2009.nsf