研究概要 |
ディラック作用素のスペクトル理論について研究した。特に、 (1)ブラック・ホール理論に現れるKerr-Newman距離でのDirac作用素のスペクトルの研究 (2)ポテンシャルが遠方で発散する場合に、光速を無限大に近づけた時のスペクトルとシュレーディンガー作用素の固有値、レゾナンスの研究などを行った。 (1)については、引き続きLos Andes大学のM. Winklmeier教授と研究連絡をとっている。成果として、 A spectral approach to the Dirac equation in the Kerr-Newman metric(下記参照)が出版された。 (2)については、愛媛大学教授の伊藤宏教授と共同研究を行っており、最近の仕事のまとめとして Relativistic Hamiltonians with potentials diverging at infinityを投稿ちゅうである。 この科研費などで関連する内外の研究集会に参加することができ、貴重な研究交流を行うことができた。そのうち、昨年11月には、「第16回超局所解析と古典解析研究集会」(兵庫県竹野)に出席し、2009年3月のミュンヘンでの共同研究としてまとめた H.Kalf, T.Okaji and O.Yamada, A note on the essential selfadjointness of Dirac operators with an anomalous magnetic momentについて講演した。また外国出張としては、8月にプラハで行われた XVI International Congress on Mathematical Physicsに出席して、研究発表を行った。 この場を借りて、4年間のこの研究支援で貴重な研究ができたことを感謝したい。
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