研究概要 |
Allen-Cahn方程式における角錐型進行波の存在を私は2007年に証明し,米国の学会誌 SIAM J. Math. Anal. (vol 39, no 1, pp 319-344)に発表した.この一意性および安定性を研究するのが本研究の目的であった.これについては, 3次元角錐型進行波が稜線部分では2次元V字型進行波に漸近することを明らかにすることにより,一意性および安定性の証明に成功した.その成果は,米国の学術雑誌Journal of Differential Equations (vol 246, 2009, 2103-2130)に掲載された. 2次元V字型進行波および3次元角錐型進行波の安定性を研究することに付随して,もっともシンプルな平面波(planar waves)を任意の空間次元で研究する必要性が認識きれた.コンパクトサポートをもつ擾乱であっても,その擾乱が大きければ平面波が漸近安定であるかどうかは未解決であった.この問題を肯定的に証明し H. Matano, M. Nara and M. Taniguchi "Stability of planar waves in the Allen-Cahn equation" Communications in Partial Differential Equations (accepted for publication) として発表を行った.
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