研究概要 |
本年度に実施した研究の成果は,楕円超幾何関数を含めた古典直交多項式の理論と廣田のタウ関数の理論を用いることで,離散可積分系と三項間漸化式を満たさない(双)直交関数系に関する解析を行った. 1.例外型直交多項式に関する研究 昨年度までの研究結果を基に,古典直交多項式に対するダルブー変換を施すことで三項間漸化式を満たしていないにもかかわらず,2階の常微分方程式を満たす例外型直交多項式が得られることをしめした.特に,五項間や七項間などの多項間漸化式を満たすことを示し,Lageurre多項式から得られる場合の構成法を与えた. 2.歪直交多項式に付随した可積分系の理論 歪直交性を有する歪直交多項式について,Askey-Wilson多項式に関連するローラン歪直交多項式を具体的に構成することに成功した.特に一般の歪直交多項式については,直交多項式などに見られる漸化式は知られていないが,ここで導出したローラン歪直交多項式については具体的に漸化式および等スペクトル変形を与える公式を与えた.対応する離散可積分系を導出し,直交多項式における離散戸田格子の類似物である離散パフ格子を与えることに成功した. 3.非自励戸田分子格子の超離散化
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