研究分担者 |
門脇 光輝 愛媛大学, 理工学研究科, 助教授 (70300548)
田村 英男 岡山大学, 理学部, 教授 (30022734)
岩塚 明 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (40184890)
山田 修宣 立命館大学, 理工学部, 教授 (70066744)
峯 拓矢 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (90378597)
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研究概要 |
特に,課題研究に関する典型的な業績のみを記載する. 1.(伊藤 宏(研究代表者),田村 英男(研究分担者)) 複数のデルタ型磁場を持つ2次元シュレーディンガー作用素を考えた.磁場の存在する領域が点の集まりであることから、対応する古典力学では散乱は起こらないと考えられる.しかし,量子力学では散乱振幅を計算することで散乱は起こると考えられている(アハラノフ・ボーム効果).一方,量子力学に現れる量はプランク定数を小さくする準古典的極限では古典力学の対応する量を用いて記述できると考えられている.このことから、散乱振幅の準古典的挙動を解析することは非常に興味深いこととなる.我々は,散乱振幅のプランク定数に関する漸近展開を第3項まで求め,各項に散乱される古典的粒子の軌道を対応させることができた. 2.(峯 拓矢(研究分担者),野村 祐司(東京工業大学)) 一様磁場とランク2の格子上に周期的に配されたδ型特異磁場を考察した.磁場としては、格子点以外では定数磁場と一致するため,スペクトルに対してデルタ型特異磁場によるアハラノフ・ボーム効果がどのように現れるかが興味の対象である.Fを周期構造からくる基本領域を貫くフラックスの量とする.磁場ブロッホ解析、楕円関数,正準交換関係を使って、Fの大きさによって、ランダウ準位が多重度無限大の固有値になるための条件を与えた.さらに、Fの閾値においては、スペクトルの下端において絶対連続スペクトルが現れることを示した.またランダウ準位およびランダウ準位間に現れるスペクトルの状態密度関数の評価を与えた.
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