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2006 年度 実績報告書

原始惑星系円盤における弱電離プラズマ素過程と惑星形成過程の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540238
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

犬塚 修一郎  京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (80270453)

キーワード惑星形成 / 原始惑星系円盤 / プラズマ / 塵粒子 / 磁気乱流 / 電離度 / 磁気回転不安定性 / SPH
研究概要

2005年に我々が発表した論文(Inutsuka & Sano 2005,ApJ 628,L155)では、正のフィードバック・プロセスが働いて、磁気乱流状態での準定常的なエネルギー散逸が電離度を上げる効果をもたらし、原始惑星系円盤内で磁気乱流状態が継続することを示唆した。そこでは、電流を担う電子の分布関数を求める際に弾性散乱のみを考慮して解析的な手法を用いているが、より正確な計算をするためには、励起や電離によるエネルギー損失を考慮した計算を実行する必要がある。その結果、電離源の強度ζが分かれば、密度nで割った値(ζ/n)の関数として、化学反応のネットワーク計算に従って種々の荷電粒子の存在度が正確に決定できる。まずはそのような詳細な解析を行うことからはじめる必要がある.また、電離度を決定するには、MHD乱流状態での磁場の飽和値を定量的に決定する必要があるので、電離と再結合を簡単化してモデル化したMHDシミュレーションも実行し、首尾一貫した解析を行う必要がある。その結果として、現実的な円盤内での電離度の分布を明らかにし、どのような乱流状態分布になるかを解明するためである。また、磁気乱流状態の円盤内ではガス粒子とともに塵粒子も複雑な乱流運動を行う。この効果を考慮して塵粒子の合体・成長・沈殿過程を解析することが重要である。そこで、私は、塵粒子にはSPH法的な粒子法を用い、ガスに対してはメッシュを用いたMHD計算法を用いるというハイブリッド計算法のデザイン作りに取り組んだ.塵粒子の集団の運動を記述する運動論的方程式を解くには6次元の位相空間でのSPH法を開発すれば良い。粒子数を多く必要とする計算になるため、高速の計算機が必要であるが、この目的のためには、専用計算機ボードであるGRAPE6ボードを導入し,劇的な効率化に向けて研究を続けている。また,これとは別に,乱流中におけるさまざまなサイズの塵粒子の拡散現象について研究し,拡散係数等を乱流のパラメータの関数として解析的に求めた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] N-Body Simulation of Planetesimal Formation through Gravitational Instability of a Dust Layer2007

    • 著者名/発表者名
      S.Michikoshi, S.Inutsuka, E.Kokubo, I.Furuya
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal 657

      ページ: 521

  • [雑誌論文] Current Advances in the Methodology and Computational Simulation of the Formation of Low-Mass Stars2007

    • 著者名/発表者名
      R.I.Klein, S.Inutsuka, P.Padoan, K.Tomisaka
    • 雑誌名

      Protostars and Planets V (印刷中)

  • [雑誌論文] The Two-Fluid Analysis of The Kelvin-Helmholtz Instability in Dusty Layer of a Protoplanetary Disk : A Possible Path Toward The Planetesimal Formation Through The Gravitational Instability2006

    • 著者名/発表者名
      S.Michikoshi, S.Inutsuka
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal 641

      ページ: 1131

  • [雑誌論文] Outflows driven by Giant Protoplanets2006

    • 著者名/発表者名
      M.N.Machida, S.Inutsuka, T.Matsumoto
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal 649

      ページ: L121

  • [雑誌論文] Universality and Diversity of Solar Winds Driven by Nonlinear Low-Frequency Alfven Waves from the Photosphere-Fast/Slow Winds and Disappearance of Solar Winds-2006

    • 著者名/発表者名
      T.K.Suzuki, S.Inutsuka
    • 雑誌名

      Journal of Geophysical Research 111

      ページ: A06101

  • [雑誌論文] Second Core Formation and High Speed Jets : Resistive MHD Nested Grid Simulations2006

    • 著者名/発表者名
      M.N.Machida, S.Inutsuka, T.Matsumoto
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal 647

      ページ: L151

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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