研究概要 |
非可換空間が実現している唯一の観測可能な系は量子ホール系である.電子がランダウ準位に束縛されているため, そのx座標とy座標は交換しない.すなわち, [x,y]=iθという非可換交換関係の成立する非可換平面が実現している.θは長さの自乗の次元を持つ非可換パラメターである.この様な系でのトポロジカル・ソリトンとそのダイナミクスを解析する. (1) 量子ホール系の長波長有効理論に基づき, 準粒子はトポロジカル励起(スカーミオン)であることが知られている.非可換平面上でのスカーミオン励起を解析し, その微視的理論を構築する. (2) 2層量子ホール系における層間コヒーレンスとトポロジカル励起を非可換平面上での微視的理論に基づき解析する. (3) 2層量子ホール系において, 横磁場が層間に進入したときの相転移が層間コヒーレンスおよび非可換スカーミオンに及ぼす効果を解析する. (4) 磁場は層間にサインゴードン・ソリトンとして進入するが, そのソリトンと非可換スカーミオンの散乱を解析する.
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