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2007 年度 実績報告書

有限バリオン密度におけるハドロン・クォーク物質の量子相転移

研究課題

研究課題/領域番号 18540253
研究機関東京大学

研究代表者

初田 哲男  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20192700)

キーワード核力 / 中性子星 / カラー超伝導
研究概要

今年度は、主として、格子QCDの大規模数値シミュレーションにより、核力の性質を研究した。核力は、原子核を結合させる力であると同時に、中性子星の構造や超新星爆発時の起爆原因としても重要な役割を果たす。特に、遠距離でのπ中間子交換に加えて、近距離では強い斥力芯があることが長年知られてきた。しかしながら、QCDに基づいて、これらの様相を導出した例はこれまで皆無であった。本研究では、格子上に2つの核子を置き、相対波動関数を求めることで、核力ポテンシャルを逆に導出するという手法を採用し、KEKのブルージーンを用いた格子ゲージシミュレーションを行った。
その結果、核力の遠距離引力、中間領域引力に加えて、近距離の斥力芯があらわれることを初めて見出した。さらに、核子のスピン状態による核力の違い(特にスピン一重項と三重項の違い)、S波とD波を混合させるテンソルカの大きさと動径座標依存性、ポテンシャルのクォーク質量依存性などについての系統的解析をクェンチ近似の範囲で行った。この成果は、Phys.Re.Lett.に2007年に出版され、Nature誌からは、2007年に発表された自然科学全分野のなかからハイライト研究21件の一つに選ばれた。
さらに、より小さいクォーク質量での信頼できる結果を得るために、筑波大学計算科学研究センターのPACS-CSシステム上で生成されたフルQCDのゲージ配位を用いてポテンシャルの研究を開始した。すでに、ポテンシャルのエネルギー依存性、フルQCDの場合のテンソル力などについては予備的結果を得ており、H20年度にも継続して研究していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] The nuclear force from lattice QCD2007

    • 著者名/発表者名
      N. Ishii, S. Aoki, T. Hatsuda
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 99

      ページ: 029001-1-029001-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stau-catalyzed Li^6 production in big-bang nucleosynthesis2007

    • 著者名/発表者名
      K. Hamaguchi, T. Hatsuda, M. Kamimura, Y. Kino, T. Yanagida
    • 雑誌名

      Physics Letters B650

      ページ: 268-274

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Onset of J/psi melting in quark-gluon fluid at RHIC2007

    • 著者名/発表者名
      T. Gunji, H. Hamagaki, T. Hatsuda, T. Hirano
    • 雑誌名

      Physical Review C76

      ページ: 051901-1-051901-5

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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