1.インフレーションに生成される等曲率揺らぎに関して、ここ数年、観測からスケール普遍性から大きくずれたスペクトラムが示唆されていたが、そのようなスペクトルを予言する理論モデルは存在しなかった。そこで、超対称性の枠組みでアクシオン・モデルを考え、比較的自然にスケール普遍性から大きくずれたスペクトラムが生成されることを示した。 2.PAMELA衛星によって発見された陽電子・電子宇宙線のスペクトル異常に関係して、観測された陽電子・電子フラックスを説明するモデルとして、暗黒物質を担っているTeV程度の質量を粒子の対消滅を考え、それが宇宙初期の元素合成や宇宙背景ガンマ線に及ぼす影響を明らかにした。さらに、再結合の後に起こる対消滅の際に放出される電子による宇宙の再イオン化に与える影響を調べるために、高エネルギー電子が宇宙に放出した場合に宇宙のバックグランド・プラズマに与える影響を計算するコードを開発し、それを暗黒物質の対消滅に適応し、対消滅断面積に対する制限を得た。
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