■BEC宇宙モデルを初期宇宙に応用し現実性を検証した。 http://arxiv.org/abs/0905.0173特にインフレーション期が自然に終了するスタグフレーション期を発見した。この時期は2つの重要な要素を持つ。1つ目は、粒子生成が激しく起こり宇宙の再加熱が自然に起こることである。2つ目は、その不安定性のために、一様なBECは崩壊し局在することである。スタグフレーションはエネルギーが厳密にOで実現するので、宇宙項Aが漸近的に消滅する。つまり、BEC崩壊とBEC再凝縮が繰り返し起こり、そのつど宇宙項に相当する真空エネルギーが減少するのである。このことは数値的にも確認された。意義と重要性: 1. 宇宙項問題の解決。過去には一様モードの範囲で純力学的にこの問題が論じられていた。我々は一様モード崩壊など相転移を通して、A=Oが実現する新しい視点を与えた。 2. 相転移が作る宇宙構造。BEC生成/崩壊の連続が、初期から現在まで繋がっている可能性を指摘し、暗黒物質・エネルギーだけでなく加速膨張も統一するモデルを提案した。 ■宇宙の暗黒物質乱流論を発展させた。無衝突系の線形摂動が火面通過後、どのような秩序を作るかを議論し、現在観測されている宇宙の様々なスケーリング則が、初期条件でなく、構造形成過程の必然として出現するシナリオを完成させた。意義と重要性: 1. 非線形領域で作られる構造の普遍性のみならず、その簡便な解析方法を与えた。 2. 個別に初期条件依存して議論されている様々なスケーリングの統一的な理解が可能になった。これには磁場や角運動量分布の普遍性も含まれる。
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