フレーバー対称性はすでに幾つか提案されていてるが、それらの分類を大学院生と共に始めた。フレーバー対称性の破れのスケール、破れ方等について系統的に調べるている。また、想定されているモデルの枠組みを調べ超対称化されていない場合は超対称化している。フレーバー対称性を導入すると、ニュートリノ質量が他のレプトンの質量の1万分の一程度である理由と暗黒物質の存在が同じ原因であるという可能性が生まれてくることが分かつた。更に、非可換な離散的対称群D6に基づいたフレーバー対称性を導入すると、暗黒物質のクリーンなシグナルがLHCで観測できることを指摘することができた。Q6フレーバー対称性を基に拡張された標準理論模型では、標準理論のHiggsセクターも拡張され、3種類のHiggs場が存在する。新たな重いHiggs粒子は、Flavor Changing Neutral Current(FCNC)反応を引き起こす。しかしこれらの反応は実験的には非常に少ないか、あるいはまだ検証されていない。特に強い制限は、二つ中性Bメゾンの質量差から来る。この質量差(QCD補正効果を含めた)を理論的に計算し、重いHiggs粒子の質量に下限を与える準備が整った。
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