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2009 年度 実績報告書

超流動変形中性子過剰核の時間依存HFB法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18540258
研究機関福井大学

研究代表者

田嶋 直樹  福井大学, 工学研究科, 准教授 (50212030)

キーワード理論核物理 / 計算物理 / 対相関 / 平均場近似 / 密度汎関数 / Skyrme相互作用 / 連続状態 / 殼補正法
研究概要

時間依存正準基底HFB法の理論的一貫性に関する考察を進めた。さらに平均場法と相補的な関係にある殻補正法での中性子過剰核の扱いについて重要な発見をしたので、その発表を優先して約1年を費やして長編の論文を執筆し現在投稿目前の段階にある。出版次第、研究成果発表報告書(様式C-24)で報告する。
殻補正法を並行して研究した理由は以下の通りである。最近Skyrme密度汎関数法を究極の現象論と喧伝する研究者が多いが、その密度汎関数は究極どころか局所密度近似による従来通りのものばかりであることから、困難の打開のため現象論性が求められる今、むしろ一昔前の殻補正法こそが有望であると考えた。しかし殼補正法では特に中性子過剰核の扱いが困難であった。原因は連続状態の効果の取り入れ方にあり、それはまさに本研究の正準基底HFB法で解決できる課題であったのである。
殻補正法に関して成し得たことは以下の通りである。
1.有限な調和振動子基底で連続状態の効果を取り入れるためのKruppaの処方の本質を明らかにした。
2.Strutinskyの平滑化法を新しい視点で見直しNilsson模型においてプラトーの発達する機構を明らかにし、逆にWoods-Saxonポテンシャルにおいてはプラトー条件を追求することの無益なことを示した。
3.平滑化パラメータ依存性を減ずるために参照密度法という手法を開発した。
4.殻補正法においても平均場法の持つような微視的部分と巨視的部分の首尾一貫性を可及的に実現することの重要性を指摘し、球対称でスピン軌道結合を無視したThomas-Fermi近似でフェルミ準位を調節するという簡易な方法で一貫性がほぼ実現できることを多数の核図表計算により実証した。
5.連続状態の効果を取り入れる方法としてKruppa-BCS法を開発した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Strutinsky法とKruppaの処方2010

    • 著者名/発表者名
      田嶋直樹
    • 学会等名
      日本物理学会 第65回年次大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-21
  • [学会発表] プロレート優勢におけるスピン軌道力の役割2010

    • 著者名/発表者名
      高原哲士
    • 学会等名
      日本物理学会 第65回年次大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-21
  • [学会発表] 核図表計算のための新しいWoods-Saxon Strutinsky法2009

    • 著者名/発表者名
      田嶋直樹、清水良文、高原哲士、大西直毅
    • 学会等名
      日本の核データ~天と地の核エネルギー
    • 発表場所
      理化学研究所
    • 年月日
      2009-07-28
  • [備考]

    • URL

      http://serv.apphy.u-fukui.ac.jp/~tajima/riken09a_slide.pdf

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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