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2008 年度 実績報告書

ローレンツ不変性の破れの可能性とその宇宙論へのインパクト

研究課題

研究課題/領域番号 18540262
研究機関京都大学

研究代表者

早田 次郎  京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00222076)

キーワードインフレーション / ローレンツ不変性 / ベクトル / 統計的非等方性 / 宇宙無毛仮説
研究概要

本研究の目的は、「ローレンツ不変性の破れを許す重力理論」としてのスカラー・ベクトル・テンソル重力理論の枠組みで、宇宙のダークエネルギー、ダークマター、インフレーション理論等の諸問題を解決する可能性を探求することにある。同時に、スカラー・ベクトル・テンソル理論と超弦理論との関係を研究し、ローレンツ不変性の破れを通した超弦理論の検証の道も探る。
インフレーション理論へのローレンツ不変性の破れの影響に関する研究を行った。研究の途中で力学的な機構による過渡的なローレンツ不変性の破れの可能性を発見した。これによりその後の研究は予想を遥かに超えた成果をもたらした。
以下、具体的な成果を列挙する。
(1)超弦理論では、ローレンツ変換の一部であるパリティー対称性が破れているような重力理論が予言される。この理論における原始重力波の円偏光の可能性を指摘した。
(2)インフレーション中にベクトル場が存在する場合に統計的非等方性が生じる機構を発見した。また、非等方性が非ガウス性と強く結びついていることも明らかにした。これらの予言は近い将来観測によって立証される可能性を持っている。
(3)スカラーとベクトルが同時に存在するようなインフレーションモデルにおいて非等方的な膨張することを明らかにした。これは宇宙無毛仮説に対する反例を与えることになり、純粋に理論的にもインパクトのある結果が得られた。観測的にも、宇宙背景輻射の温度揺らぎと偏光の揺らぎの相関や揺らぎの統計的非等方性を予言しており、今後の観測計画にとっても重要な成果である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Primordial statistical anisotropy generated at the end of inflation2008

    • 著者名/発表者名
      S. Yokoyama
    • 雑誌名

      JCAP 808

      ページ: 005

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anisotropic Inflation from Vector Impurity2008

    • 著者名/発表者名
      S. Kanno
    • 雑誌名

      JCAP 808

      ページ: 034

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Higher Curvature Corrections to Primordial Fluctuations in Slow-roll Inflation2008

    • 著者名/発表者名
      M. Satoh
    • 雑誌名

      JCAP 809

      ページ: 019

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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