研究概要 |
パイ中間子の原子核での役割の理論的研究を行った。この科研費の最終年度だが、予想を超える成果を得ることが出来た。 1。核力を使って原子核を記述する方法を確立した。 ジェルモデル基底でパイ中間子の非相対論的表現であるテンソル力を2p-2h励起の方法で記述し、さらには短距離斥力をユニタリー演算子の方法で記述するテンサー最適化シェルモデル(TOSM)を完成させた。現在はHE4の計算をし,厳密計算と比較することでTOSMの定量性を実証した。 2。カイラル対称性を持ったラグランジャンで原子核を記述する。 パイオンはカイラル対称性の自発的破れのゴールドストン粒子である。従って,このラグランジャンで原子核を扱うことが出来れば、カイラル対称性の破れの回復とパイ中間子の役割のどちらもを調べることができる。これまで行って来た平均場と射影の方法から発展した新しい方法として2p-2hの配位を取り込む方法を開発した。この方法により、パイオンの寄与を全面的に取り込むことができることを示した。この方法で有限核と無限核物質の計算を行い論文として発表した。
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