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2008 年度 実績報告書

パイ中間子系におけるレプトン対称性の検証実験

研究課題

研究課題/領域番号 18540274
研究機関大阪大学

研究代表者

吉田 誠  大阪大学, 大学院・理学研究科, 特任研究員 (70379303)

研究分担者 青木 正治  大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80290849)
佐藤 朗  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40362610)
キーワード素粒子物理 / パイ中間子 / レプトン対称性 / 読み出し回路 / フラッシュADC
研究概要

本研究は、稀なπ→ev崩壊の崩壊比を精密測定することで素粒子物理学の標準理論を検証し、未知の新物理を探索することを目的とする。崩壊比の精密測定には、運動量の揃った純度の高いパイ中間子ビームを用いて、パイ中間子停止標的中でのπ→μv崩壊事象を同定する必要がある。そのために、カナダTRIUMF研究所のパイ中間子ビームラインに新たに検出器群を構築してデータを取得する。
飛跡検出器をはじめとする検出器群は平成21年4月に完成し、ビームを用いて検出効率の較正やトリガータイミングの調整等を行った。その中で、COPPERを用いたフラッシュADCのファームウェアを改良して時間測定の不定性を減らすことにも成功し、他の検出器と正確に同期を取るためにタイムスタンプをファームウェアに実装した。平成21年7月までに全検出器を組み合わせた最終調整を終え、2.3%の電子エネルギー分解能を達成し、600Hzのトリガーレートでデータ取得を開始した。平成21年7月から12月にかけておよそ200万イベントのデータを取得した。データ解析において、バックグランドを除去するカットをかけたところ、π→ev崩壊の検出効率は56%に保たれ、52MeV以下の低エネルギー側への染み出しは8%に抑えられることが分かった。得られたデータを用いて未知の重いニュートリノが関与する反応を探索した。陽子スペクトルに有意な信号が無かったことから、90MeVから110MeVの重いニュートリノに他する混合行列要素についてこれまでより1.5倍厳しい上限値を与えることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] π^+^→e^+^v_e崩壊分岐比測定実験―実験開始―2009

    • 著者名/発表者名
      山田薫
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      甲南大学(兵庫)
    • 年月日
      2009-09-11
  • [学会発表] π^+^→e^+^v_e崩壊分岐比測定実験―実験開始に向けて1―2009

    • 著者名/発表者名
      山田薫
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      立教大学(東京)
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] π^+^→e^+^v_e崩壊分岐比測定実験―実験開始に向けて2―2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤尚祐
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      立教大学(東京)
    • 年月日
      2009-03-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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