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2007 年度 実績報告書

並進対称性の破れと相構造

研究課題

研究課題/領域番号 18540275
研究機関神戸大学

研究代表者

坂本 眞人  神戸大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30183817)

研究分担者 谷村 省吾  京都大学, 情報学研究科, 准教授 (90273482)
竹永 和典  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50379294)
キーワード並進対称性 / 対称性の破れ / 高次元時空 / ゲージ理論 / 重力理論 / 超対称性 / 有限温度
研究概要

今年度は次の2つのテーマを取り扱った。
(1)有限温度での高次元ゲージ理論には、ゲージ対称性の破れの起源となりうる秩序パラメータが2種類存在している。ひとつは余剰次元方向のゲージ場の真空期待値であり、もうひとつは温度方向のゲージ場の真空期待値である。これらの期待値の振る舞いを調べるために、様々な物質場のもとでの1ループ近似の有効ポテンシャルを計算し、真空構造について詳しく解析した。我々の解析によって、ゲージ対称性の破れは一般的に余剰次元方向のゲージ場の真空期待値によってのみ引き起こされることが示された。この結果は、場の境界条件がゲージ対称性の破れに対して重要な役割をしていることを示している。
(2)前年度の研究で我々は、高次元のゲージ理論は4次元スペクトラムに量子力学的N=2超対称性が隠れていることを明らかにし、この超対称性の起源は高次元ゲージ対称性であることを示した。今年度は高次元ゲージ理論の解析を5次元重力理論へ拡張し、ゲージ理論の場合と同様に4次元スペクトラムに量子力学的N=2超対称性が存在していることを明らかにした。この超対称性の起源は、ゲージ場のときとは違って、高次元の一般座標変換不変性に基づくものであることが示された。また、重力理論の場合は、N=2超対称性量子力学系が2つ組み込まれており、4次元スペクトラムが3重縮退をしていることも明らかとなった。また、この高次元ゲージ/重力理論を量子化するための第一歩として、4次元ゲージ理論におけるR_ξゲージに相当するゲージ固定項を見つけることに成功し、作用における場の2次の形を詳しく調べ、物理的でないモードが正しく相殺していることを大域的な(超対称性的な)不変性を見つけることによって示した。さらに、最低次での重力子の交換による振幅を計算することによって、ゲージパラメータξの依存性がないことを具体的に確かめた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Supersymmetry in 5D gravity2008

    • 著者名/発表者名
      C. S. Lim
    • 雑誌名

      Physical Review D 77

      ページ: 045020-1-045020-13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Gauge fixing and residual symmetries in gauge/gravity theories with extra dimensions2008

    • 著者名/発表者名
      C. S. Lim
    • 雑誌名

      Physical Review D 77

      ページ: 065009-1-065009-17

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Gauge symmetry breaking via Euclidean time component of gauge fields2007

    • 著者名/発表者名
      Makoto Sakamoto
    • 雑誌名

      Physical Review D 76

      ページ: 085016-1-085016-12

    • 査読あり
  • [学会発表] Hidden SUSY Structure in 5d Gravity2008

    • 著者名/発表者名
      阪本和紀
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-03-26
  • [学会発表] Gauge Fixing and Residual SUSY-like Symmetries in 5d Gravity2007

    • 著者名/発表者名
      大谷聡
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-23
  • [学会発表] ゲージ場のユークリッド時間成分によるゲージ対称性の破れ2007

    • 著者名/発表者名
      竹永和典
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-22
  • [学会発表] 格子超対称性の行列表示2007

    • 著者名/発表者名
      坂本眞人
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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