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2007 年度 実績報告書

次世代大規模銀河赤方偏移探査による暗黒エネルギー検証に向けた理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540277
研究機関広島大学

研究代表者

山本 一博  広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50284154)

キーワード暗黒エネルギー / 宇宙の大規模構造 / バリオン音響振動 / 重力理論 / フーリエ解析
研究概要

この研究は,SDSS銀河データを用いて3次元銀河分布のパワースペクトル解析を行い,パワースペクトル解析からバリオン音響振動を取り出すまでの技術構築を主な目標とするものである。当初の計画で遅れていたパワースペクトル解析における多重極スペクトルの誤差の見積もりを進めた。標準的な誤差見積もりの他にジャックナイフ法による見積もりを行い,整合性の検討を行った。また,海外の研究者の招聘し共同研究の推進をはかった。海外の共同研究者からSDSS銀河データの提供を受けて,パワースペクトル解析を実行した。特に重要な成果として,次の成果を得ることができた。まず,SDSS・LRG銀河分布の多重極スペクトレを測定した。単極子スペクトルと4重極スペクトルを組み合わせることで,赤方偏移歪みの定量的な測定を行った。この結果,密度揺らぎの線形進化を表す(γ)パラメーターを20%程度の統計誤差で測定することができた。このパラメーターは,宇宙論スケールの重力理論の検証において重要な役割を果たす量で,一般相対性理論と整合性のある測定結果であった。この方法を用い,これまでに拡張重力模型として提案されているDGP重力模型が観測的制限を受けることを示した。この成果は,銀河分布の赤方偏移歪みを精密測定することで,重力理論の検証が可能であることを新しく実証するもので,今後の大規模銀河赤方偏移サーベイに対する重要な示唆を与えることができた。高次多重極スペクトルの測定も同時に行ったが,結果の理論的解釈は今後の課題として残された。また,バリオン音響振動の取り出しと理論模型との比較検討も行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Testing general relativity with the multipole spectra of the SDSS luminous red galaxies2008

    • 著者名/発表者名
      K. Yamamoto, T. Sato, G. Huetsi
    • 雑誌名

      Progress of Theoretical Physics 120

      ページ: 609-614

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Damping of the baryon acoustic oscillations in the matter power spectrum as a probe of the growth factor2008

    • 著者名/発表者名
      H. Nomura, K. Yamamoto, T. Nishimichi
    • 雑誌名

      Journal of Cosmolbgy and Astrop article Physics 10

      ページ: 031-1-23

    • 査読あり
  • [学会発表] SDSS LRG銀河の多重極パワースペクトル測定と重力理論のテスト2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤貴浩
    • 学会等名
      日本天文学会2008年秋季年会
    • 発表場所
      岡山理科大学(岡山市)
    • 年月日
      2008-09-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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