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2006 年度 実績報告書

相対論的重イオン衝突実験で見られる動的相転移とクォーク・グルオン多体系の物性研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540278
研究種目

基盤研究(C)

研究機関高知大学

研究代表者

津江 保彦  高知大学, 理学部, 助教授 (10253337)

キーワード高エネルギー重イオン衝突 / カイラル対称性 / 動的相転移 / スクイーズ状態 / 時間依存変分法 / 相構造 / グルオン流体 / 量子効果
研究概要

相対論的重イオン衝突実験ではカイラル対称性の回復後の動的破れなど、種々の相転移が起きることが期待される。今年度は特にカイラル対称性に関したカイラル相転移、カラー超伝導・常伝導相転移、及び色の閉じ込めに関する閉じ込め・非閉じ込め相転移が注目される。カイラル相転移に関しては、スクイーズ状態を用いた時間依存変分法による動的カイラル相転移の扱いで、モード間相関とアイソスピン相関の両者を自然に取り込んだこの理論的手法により、主にモード間相関によって動的カイラル相転移の準安定状態として異方カイラル凝縮が起き得る事を示した論文を纏め、公表した。また、問題を簡単にするため、非相対論的ではあるが超伝導状態を示す非相対論的なフェルミオン多粒子系の相転移の問題をとりあげ、超伝導相と常伝導相との間の相転移を示す簡単化された代数模型を考察し、量子効果を取り込んだ近似(半古典的近似)では従来の古典近似で現れるシャープな相転移は現れないことを示し、このモデルでの相構造、相転移の在り方について新たな知見を得て、量子効果の寄与に関する新しい課題を提起した。得られた結果は論文として公表した。さらに、非閉じ込め相で起こりうるグルオン多体系の物性を考察するため、高次の量子効果まで取り込めるガウシアン汎関数を用いた時間依存変分法を用いてグルオン流体の粘性係数を評価する研究に取り掛かった。量子グルオンによる粘性係数への寄与を評価し、すでに一部成果が得られているが、来年度さらに精査する課題とする予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Semi-Classical Approach to the Two-Level Pairing Model2007

    • 著者名/発表者名
      Y.Tsue, C.Providencia, J.da Providencia, M.Yamamura
    • 雑誌名

      Progress of Theoretical Physics 117・3

      ページ: 431-449

  • [雑誌論文] Effects of modo-mode and isospin-isospin correlations on domain formation of disoriented chiral condensates2006

    • 著者名/発表者名
      N.Ikezi, M.Asakawa, Y.Tsue
    • 雑誌名

      Physical Review C 73

      ページ: 045212-1-10

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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